どこかへ誘い込むように並んだ鳥居。そこを抜けると暗闇の世界が広がっていた。数歩先も見えない、いつなにが襲ってくるかも分からない不安が襲ってくる。
一瞬で体は縮こまり、足は鉛のように重くなる。それでも行かなければ帰れない。みとちゃんと凛先輩がいるんだから、私もしっかりしないと。
右手に握った剣を振りかざして前を行く。震えを誤魔化すように無我夢中に振るう。
満身創痍で進んだ先に、突如現れた謎の小学校。生徒の亡霊、血まみれの手形。ここで起きたであろう悲劇が目に浮ぶ。ただでさえ頼りない視界が、恐怖に染まっていく。
その時、どこからか響く女の笑い声に気が狂いそうになる。どこだ、どこにいる?
声に誘われるよう出口へ向かうと――
「ほぉあ、ほぁあ、ほぁああ!!? 右!!!」
――そこにいたのは。
「あ、たいまつでした……すみません」